EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

 何も書けない気がするいらだちまみれ

 能力を高めるために必要なのは質と量だ。文章量を確保することは急務だ。一万時間の法則というのがあるから、一万時間書き続ければいいわけだ。毎日八時間を三年続けると一万時間に到達するらしい。はぁ、多すぎねぇか。

 これまで10年間何時間文章と向き合って来たんだよ! いったい!
 向き合うってどういうことだよまず、的確な練習方法があるのかよ、筋トレみたいに負荷を書ければいいのか。筋肉痛の代わりに、文章痛なんつうものが起こればわかりやすいのにな。文章を書くたびに痛みがはしる。いや、そういう感覚なんとなくわかるかもしれない。学べば学ぶほど自分の文章の荒がみえて嫌になる。胸が痛む。書くのがヤになる。
 永遠にたどり着けない理想の文章がそこにあるがと・ど・か・な・い!
 しかしだ。そもそも文章力つーか、俺が思っている理想の文章なんてただ体裁を整えた格好つけでしかない。

 ――文学的で学術的知識のバックボーンに支えられた端正な文章。
 みたいな。

 書きにくいことを書いてみて特訓するしかないんだろうか。それか内容で勝負だ! 文章力よりストーリーと熱量だろッ!
 感情が響かせるんだよッ!
 嘘くさくない熱さだけが存在すれば読める文章になるはずだ。
 その熱さっていうのはどこから出てくるのか。
 感情の爆発だ! 怒りだ! 激しいエンドルフィンが脳内から発される。
 自分のすべてが肯定されるようなライターズハイ! 自分の書いている文章すべてに正しさやつながりの意味を見いだしてしまう。
 あらゆる物事に暗号めいた比喩がみえる。
 ビューティフルマインドを思い出す。
  指先のされるがままにさせてはいけない。無駄な文章を切れば切るほど文章は整って行くのだろう。整った文章は文章に込められた情報量が高い。
 逆に気ままに書いた文章の情報量は低く分散している。
 知ったことか!
 自分にとって価値のあるものが書ければそれで満足だ。
 満足するためには、脳内物質が出ていればいい。
 そうすれば何を書いたって俺は満足できる!
 そういう自分本意の文章に意味があんのか……!
 意味は全部他者に任せろ。勝手に意味を読み取ってくれるさ。
 ただエンドルフィンと指先の導くままに……文章の神の導きがあらんことを