EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

利己主義のゆくすえ

 自分のことしか考えていない。利己的でわがままな奴だ。君は。君は君の欲望が叶うことだけを夢みて、誰かのために何かをするなんて考えもしないし。誰かのために行動する奴を――不合理で自然じゃない嘘くさい奴と決めつける。
 上っ面で理解して理解した気になることで見切りをつけると、君は相手を見下げて勝ち誇る。合理的に利己主義に効率的にうまく生き抜いてやるぜと息巻く。ある程度はうまくいく。
 そのうち君はなにが好きでなんでこんなことをやっているのかがわからなくなる。貫き続ければ何かに変わると祈っていたけれど、いつのまにか周りに誰もいない。君は孤独は素晴らしいと豪語するが、本当はさびしい。
 なぜ、ひとりになってしまうのだろう。自分のことばかり考えているからだろうか。相手のことに興味はない。君が興味があるのはいつも自分で、自分のことばかりだ。
 誰かのために何かをすることに抵抗があるのはなぜだろう。
 誰かのために何かをすることで自分の時間が奪われている。自分が消費されていると君は感じる。相手に恩を売りつけているようで気持ちが悪い。だから俺は君のためにはなにもしていないし自分のために君を助けるんだと理屈づける。
 思いのほかそれは気持ちが良かった。
 快楽主義は君の信条にも一致したから君は利己的に利他的行動をとる。