EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

感触

 なにかを掴んだ気がする。その瞬間はなんでもできそうな気がする。もう大丈夫だ、という万能感に包まれ安心して過ごす。するとその掴んだ感触が失われていく。震えるほどの感動が薄れていくように、だ。
 手応えを掴み取る。
 文章を書くときはいつも書けると書けないの狭間にいる。うまく書けた時の感触を思い出して、自分は書けるんだと暗示をかけて、文字の連なりを見つめている。
 力を入れて力みすぎても書けない。なんとなく、なぜかはわからないけれど書ける気がする。この程度が一番いいのだろう。すべてを超越するようなものは少ない文章では生み出せない。長く書き続けることが強大なものを生み出す場合がある。
 書いた文章を読み返すとつながりがおかしい気がする。だから、何度も書き直す。書き直すことを前提に書けば気楽に書ける。ここの部分は微妙だから後で直そうと考えておけばいいのだ。
 内容が無いのは、書くことを考えていないのに書き始めるからだ。あるのはニュアンス――感覚/感触だけで、その感触を伝えようとして書き始めた。
 力を手に入れるように何かを掴んで放さない。
 よくわからないものを言葉で説明しようとする。自分でもわからないものが書いているうちにわかっていく。そういう自分で書いて気づいていくことができたらとても楽しいものだなぁ。