EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

祖父が去った

 祖父が死んでしまった。肉親の死は初めてだった。てっきり、危篤状態の祖父の元に駆けつけて、心電図がピーと鳴り「ご臨終です」と言われるものだと思っていた。家に帰ると姉が亡くなったよと軽く告げた。
 衝撃を受ける間もなく、そうかと受け入れた。
 死ぬことはわかっていたが、唐突だった。あまりにも自然に自分が受け入れているため、もっと物語的なドラマティックさが欲しかった。もっと自分は悲しむべきだと思った。しかし、慟哭するような悲しみはやってこなかった。