空ラインまで
たまたまそうなったから、ここにいる。そういう時間経過のロジックに惑いながら、決断できないでいる。今、決める。後から決める。どっちが正しいかは後からしかわからない。決めることに意味があるのか無いのかもわからないけど、決めちゃった。
嘘をついている。たいていいつも、そうやって生きている。
生きる意味は誰かのためだ、って言う人もいる。意味なんて無いかもしれないけれど、何かとても美しい瞬間さえあれば生きていれてよかったと思える。
ほんとは俺はこうなのに。
そういう思い込みみたいな理想が、自分を封じ込める。
いらだちが理想と現実の距離感を余計に広げてる。
理想なんて架空な自分勝手の中で停滞し浮上できない。
現実は甘くない、なんて言葉コーヒーで飲下してる。
甘い、甘すぎるよ、なにもかも、どこまでも、歩いて走ってる。
いつまでも待っていてくれると思っている。
自分のことは自分にしかわからないから勝手にやってくれ。
きみのことは全部きみのものだし、
きみへのアドバイスなんて全部他人事だ。
色褪せて繰り返している日常が、なにも変わらないことに
ほっとしているような僕らは、停滞を望んでいる。
からっぽになっている器の中を満たすための努力をしているみたいだ。
器は硝子でできていて、向こうの世界が透けて見える。
必要としたいことは違うし、なりたいとしたいは違う。
目的と手段が入れ替わった時いつも最高になれる。目指していた場所よりも今やっていることが最高に楽しくなる、その瞬間のために今を生きてる。
この瞬間にすべてをつぎ込むにはどうすればいいんだろう。
次の瞬間塵と消えてもいいように。
全部をつぎ込むんだよ!
熱量と爽やかさは同時に保てないんだろうか。
涼やかな風が吹き緑の草原の下生えが揺れ青空が広がる。
トラックの荷台から遠くを見つめていると沈む太陽が見える。
季節が巡り、時が過ぎていく。
一年が過ぎ、旅を続ける。
世界を一周し同じ場所に戻ってくる。
なにもなかった草原には新たに街が出来ている。
また、川の向こうへ行く。
昔つけた足跡とか思い出しながら。
881 30分