はじめてとおわりのはじまり
誰にでもはじめてのことはある。なにもわからない新鮮さが何度も繰り返すことで慣れに変じ、それをはじめてやった時の感触、はじめての感動を忘れていく。
そうして人間はその行動を自動化しロボット化していく。コリンウィルソンはアウトサイダーの中でロボット化が鬱のはじまりのようなことを言っていた。
あらゆるものをはじめてのように感じながら行うと、その作業はとても時間がかかる。詳細な観察と発見が起こり手が止まってしまうからだ。ロボット化することでなにも考えず動作を行うことができる。
……眠い。眠いので思考は停止し、部屋についたライトのキーンという音が耳に響く。そういえば電磁波が身体に悪いという眉唾物の話を聞いたのだが、本当のところはどうなんだろうか?