EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

花粉症撲滅してよ、神

 花粉症のしんどさが、思考の伝達を遅くする。
 何も考えられず、だるさだけが残る。こういうときは雨音だけが友人だ。
 ざぁぁぁっと雨粒が落ち続ける音を聞いているときに永遠を感じる。
 スケッチブックを持って自在に絵を書けたら。なぜかそんなことを不意に思った。誰かの絵を真似するということも考えず、ただ見えるままを書こうとしたらもっと自由に書けただろうか。
 いつ頃からか他者に自分が規定されていく。他者との比較で自分を構築しようとしている。言葉もいつ頃からか誰かの目を気にして書かれている。いままで見た物や読んだ物の影響を受けないことはできない。それが嫌なわけじゃない。影響を受けるってことは逆にいえばいくらでも変われるってことだから。
 だけどたまに、なにも知らない無だった時の自分を思い出したくなる。なにも知らなかった僕は自由に書くことはできただろうか……。
 
 超越者としての神。神はすべての最善を知っていて迷うことは無いという。常に正しい善の選択をする。そんなものはあり得ないとわかっているが、言葉やイメージではその存在を生み出すことができる。
 プラトンイデア論を思い出す。現実とは別にイデア界という場所が存在していて、そこに全ての理想の本当の姿が存在している。現実はイデア劣化コピーだ。理想はいつも頭の中にある。現実は頭の外にある。頭の外は不条理に覆われている。頭の中も全然操れていないのに……。
 
 だめだぁ。理想の文章とはいったい……。