EVERYTHING IS

想起特訓。忘れかけたことを思い出すのだ。

なんなんだよ

 情報爆発の時代なのだ。それが今の世の中なのである。であるかして、情報が頭にポンポン放り込まれるので非常に困っているし頭が痛い。まとまる物もまとまらなくなり、元々大量に情報を集めたところで、その情報の真偽判定に時間がかかり、情報を選り分ける作業で答えが永遠に引き延ばされていく。
「まだ勉強中なので断言できませんが……」
「断言はできません。まだ情報の精査が終わっておりませんゆえ」
「この答えは現時点での答えであります。未来への伸びしろ……新しい発見というものはこの世界に憑きものでしょう?」

 不意に人間原理という言葉が頭に浮かぶ。この宇宙は人間によって都合のよいように観測されている……「宇宙が人間に適しているのは、そうでなければ人間は宇宙を観測し得ないから」アカシックレコード的な何かだろうか。
 頭の中には確実な知識はなく、うる覚えな情報ばかりが散漫に散らばっている。その中で僕たちは『断言』しなければならないのだろう。
 勝手な強制を許して欲しい。それが断言というものだからだ。
 ある時点で、いくつかの断片的な情報で現時点での判断を下す。
「それは、不誠実な答えではなくて?」
 そうでもないはずだ。むしろ、中途半端に答えを先延ばしするよりはとても誠実だよ。
「つまり,現時点でのインプットの総体、いままでの人生によって構築された貴方が出している答えが、この文章というわけで、OK?」
「そういうことになるわけだが、それだととてもスケール感があって、恐れ多い。しかし、そうあるべきだ。現時点で考え、はき出せることを吐き出し、満足できない部分はインプットし直せばいい。そもそも、外に出さないと、自分がそれを外に出せるかどうかもわからないではないか」
「そういうものかな」
「そういうものなんだ」